4月3日の日本経済新聞に、3月の投資信託からの資金流出額が世界全体で5136億ドル(約55兆円)となり、リーマンショック時を上回ったという記事が掲載されました。3月と言えば、市場がコロナ・ショックに見舞われ、乱高下を繰り返した月です。同じ4月3日、同紙は、「大手IFAが提携する証券口座への3月の資金流入額が2019年の月間平均から倍増した」と、相場の混乱に動揺することなく安値を買っていこうとする投資家と、その背中を押すIFAの姿を伝えています。

近年、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とその顧客がじわじわと増えてきています。

インターネットで安い手数料で取引できる時代に、わざわざ高い手数料を払ってまでIFAを利用する理由は何でしょうか?今回はその理由を探っていきたいと思います。

 

IFAのしくみ

簡単にIFAの仕組みを見ていきましょう。

※詳しくはこちらもご覧ください
 「IFAとは」(BIG TREE企業情報>「IFAとは」
 「金融商品仲介業とは」(BIG TREEサービス紹介>「金融商品仲介業とは」

IFAは、自社では商品を持たないので、金融商品取引業者と呼ばれる証券会社などと業務委託契約を結んで、その商品を顧客に販売します。証券会社からすると、営業を外部に委託するような形になります。ただし、IFAは独立した存在なので、契約する証券会社を変更したり、同時に複数の証券会社と契約することもできます。従来の証券会社の営業員は会社の方針に従って営業活動を行うわけですが、この仕組みにより、IFAは独立性を保ち、自らが顧客のためと思える方法で営業を行うことができるのです。

顧客はIFAのアドバイスを受けますが、実際に口座を開くのは金融商品取引業者にあたる証券会社などです。ネット証券などの場合は、IFAのアドバイスを受けるためには「IFAコース」を選択する必要があり、自分の判断で取引を行うインターネットコースとは手数料設定が異なります。

従来の証券会社での取引と比べると、顧客自身で担当者(IFA)を選べること、そのIFAとずっと付き合えること(転勤がないため)、IFA自身もノルマなどに縛られず顧客のための最善の営業ができること等がメリットと言えます。

 

最大のデメリット:IFAを利用する際のコスト

IFAの最大のデメリットはやはりコストがかかることです。

ネット証券でIFAサービスを利用する場合、インターネットコースとIFAコースで手数料が異なることは前述しましたが、例えば、株式購入の場合ですと、インターネットコースなら数百円で済む手数料がIFAコースだと数千円かかることもありますし、投資信託では、インターネットだと無料になる買付手数料が、IFAコースだと税込み3.3%程度かかるというケースが多く見られます。(※投資信託は商品によって手数料が異なります。)

【ご参考】
SBI証券のIFAコース(担当者がつくプランAの場合)の手数料はこちら
SBI証券のインターネットコースの手数料はこちら

新しい料金体系

売買の都度、その金額に応じて支払う手数料(コミッション)以外に、ラップ口座などを利用して、資産残高に応じた手数料(フィー)を支払う仕組みを取り入れる動きも出てきています。フィーベースの手数料を受け取るスタイルは欧米で主流となっており、回転売買によって手数料を稼ぐことを防ぎ、顧客の資産が増えればIFAの収入も増える、ということで、顧客とIFAの利害が一致することによるメリットがあると言われています。ただし、フィーベースだからコストが安いというわけではないことに注意が必要です(手数料体系による比較については後編で詳しくお伝えします。)。

 

IFAは何をしてくれるの?

それでは、それだけのコストに対して、IFAは顧客にどのようなサービスを提供してくれるのでしょうか。

これまでの銀行や証券の窓口では叶わなかった、痒い所に手が届くサービスを提供していけるのがIFAと言えます。

IFAが提供してくれるサービスの具体例

各IFA法人によって得意分野が異なるので、全てのIFAから全てのサービスが受けられるわけではありませんが、IFAが提供してくれるサービスには以下のようなものがあります。

・資産全体から見た長期資産形成のためのアドバイス

顧客の運用の目的や許容リスクなどを把握し、資産全体を俯瞰して、顧客それぞれのニーズに応じたオーダーメイドのアドバイスを行います。IFAのFP的側面と言えるでしょう。ライフプラン表やキャッシュフロー表などを提供してくれるIFAもいますし、提携FPと連携して対応するIFAもいます。

・保有資産の分析

「投信の見直しセミナー」などを積極的に開催するなど、すでに投資を始めている顧客向けに、保有資産のリスク分析などを提供し、売却やリバランスの相談にも乗ります。

・アフターフォロー

販売して終わり、ではなく、長期リレーションの中で、販売後も市場動向や顧客ニーズの変化などに応じてアフターフォローを行います。

・日常的な情報提供

アフターフォローの一環として、HPやメルマガを通じた情報発信や、市況レポートの送付、セミナーの開催等、日常的な情報提供に努めています。

・金融リテラシー向上支援(金融教育の提供)

ネットを通じた情報発信・定期面談・セミナー等を通じて、繰り返し顧客へ金融教育を行います。

・スポットでの売買のアドバイス

市場動向を鑑みた余裕資金の運用アドバイスや株式の運用アドバイス等を提供します。

・相続や贈与等に係るアドバイス
・弁護士や税理士と連携してのアドバイス

運用以外のお金に関するアドバイスをワンストップで提供できるのもIFAの得意とするところです。専門的なアドバイスについては、外部の専門家と連携して対応します。

 

まとめ

今回は、IFAのコストとサービスについて詳しくお伝えしました。

次回、後編では、そのコストとサービスを踏まえて、IFAが本当に必要なのかについて考えていきたいと思います。もちろん、全ての人にIFAが必要というわけではありません。ある人にとっては、IFAに支払うコストは高すぎるかもしれませんし、選ぶIFAによってはコストに見合ったサービスを受けられないケースもあるでしょう。後編では、IFAの選び方などについてもお伝えしていきたいと思います。