「高いコストを払ってまでIFAを使う理由~IFAのメリットとデメリット~(前編)」の続きです。
前回コラムでは、IFAにかかるコストとIFAが提供しているサービスについて見てきました。
今回は、それを踏まえて、IFAは本当に必要なのか?そのサービスはコストに見合ったものなのかを考えていきたいと思います。

 

自分で考えて売買できればIFAは不要?!

前回見てきたように、IFAを利用する際のコストは安いとは言えません。特に、インターネット経由でかなり安い手数料で株や投信を売買できる現代においては、相対的にIFAの手数料は割高に感じられるでしょう。

また、投資情報もネット上に溢れており、手数料を安く抑えて分散投資をする方法を教えてくれるサイトもたくさん存在します。そういった無料の情報を集めてネット証券で売買すれば、コストは最低限で済みますし、コストを抑えた分リターンも大きくなるでしょう。それを可能にするだけの金融リテラシーとリサーチにかける時間を持っている投資家にはIFAは不要と思われるかもしれません。しかし、今のような不安定な相場環境の時はどうでしょうか。

相場環境が良く、誰が何を買ってもうまくいく相場というものがあります。そういう時期に投資を始めると、何を買ってもうまく行くので、わざわざIFAに相談するまでもないと感じてしまう方も多いでしょう。しかし、ひとたびリーマンショックや今回のコロナショックのような相場の混乱が起こった時、間違った行動をしてしまう投資家が多いのです。長期国際分散投資が資産形成の王道と確信して積立投資を始めたはずなのに、相場が大暴落し始めるや、

「やっぱり投資なんて危なかったのではないか」
(現に資産が3割も減っている!)

「どこまで下がり続けるのか怖くてたまらないから売ってしまおう」
(リーマンショック時の日経平均は1万円を割っていた!)

「まだまだ下がりそうだから一度売って買い戻した方が良いのではないだろうか」
(相場を当てるのが難しいから定期的に買い付ける積立投資を始めたはずなのに!)

と、考え始める投資家が本当に多いのです。さらに言うと、そこで投資をやめてしまった人に限って、相場が上昇基調を取り戻し、かなり上がってしまってから「買わないと乗り遅れる」とばかりに投資を再開して、高値で投資してしまうことすらあります。そして、これは一部の人の話ではなく、大多数の人の投資パターンです。このような動きをしている限り投資に成功することも資産を大きく増やすこともできません。

IFAの役割は、顧客の許容リスクや投資目的を理解し、好況の時にリスクを取り過ぎないよう助言し、不況の時に恐れて投資をやめないように助言することなのです。

暴落時にパニック売りすることの損失は甚大です。暴落後の戻りがトータルリターンにもたらす恩恵が大きいことは歴史的にも明らかで、その上昇を取り逃すことを考えればIFAに支払うコストも決して高くはない、あるいは、IFAに支払うコストは、暴落時にもどっしりと構えていられる心の平穏を得るために支払っているのだ、と思えれば、IFAと幸せな関係が築ける可能性が高いです。

逆に、リスク許容度が高く、相場の暴落時にも動揺することなくこれまで通りの投資を続けられる、あるいは、強気で相場に立ち向かえる、という方には、IFAは必要ないかもしれません。

 

自分に合うIFAを探そう

では、どのように自分に合うIFAを探せばよいのでしょうか?

 

経歴

前回も述べたように一口にIFAと言っても、その経歴によっても得意分野が異なってくるので、以下の傾向も参考に、自分が必要としているサービスを提供してくれそうなIFAを探してみましょう。

経歴による強み

・証券会社からの転身
株式・投信・債券等の資産運用に強く、個別株の運用に強みを持つタイプから、ライフプラン等を作成するFP寄りのタイプまで様々なIFAがいます。

・保険会社出身
保険に詳しく、保険代理業と兼業で、保険を中心とした運用設計を行うケースが多いです。

・税理士・会計士
税理士・会計士等の士業との兼業。本業における相談の中での運用ニーズの高まりからIFA法人を兼業するケースが多いと思われますが、節税対策等本業に絡めた商品提案が中心のようで、運用主体でないケースがほとんどのようです。

・FP
家計相談やライフプラン等の作成だけではなく、実行支援のニーズもある顧客へのサービスを拡充させるためにIFA法人を兼業するケースです(FPは具体的商品提案ができないため)。

 

コミッションベースとフィーベース、どちらが良いの?

前回、手数料にはコミッションベースとフィーベースがあるという話をしました。ある程度のコストを負担することについては納得したが、手数料体系としてはどちらを選ぶのが良いの?と疑問に思われる方もいるでしょう。欧米ではフィーベースが主流になっており、フィーベースの手数料体系を導入するケースでは、従来のコミッションベースは回転売買を助長し、顧客との利益相反が起こるから、との主張が多く聞かれます。実際、従来の証券会社においては、回転売買が横行していた歴史がありますが、いわゆる「ノルマ」などのないIFAにおいては、顧客にとってどちらの手数料体系が優れているかという議論は無意味であると思います。どちらにもメリット・デメリットがあり、結局のところ、IFAの資質によるところが大きいと言えるからです。

例えば、長期国際分散投資の投資信託を購入し、買付手数料として3.3%を支払う場合と、年1.1%のフィーがかかるIFAと契約して同様の内容で運用する場合を比較すると、初年度は前者の方がコスト負担は大きくなりますが、4年目以降、買い替えをしない限りは平均して前者のコスト負担の方が軽くなっていきます。ここで手数料を稼ぐために買い替えを勧めるかどうかはIFAの資質によるのではないでしょうか。また、フィーベースだから良心的とも言い切れません。フィーベースの手数料では、基本的にどれだけ長期で運用しても手数料が割安になっていくということはありませんし、仮に契約後の商品提案やアフターフォローがなくても毎年のコストはかかり続けます。その報酬に見合ったアフターフォローや情報提供をきちんと継続して受けられるのかを契約時にしっかり確かめる必要があるでしょう。

 

どちらの手数料体系を採用しているかよりも、その手数料体系の中で最大限に顧客のためになるサービスを提供しているかに注目して選ぶことが大切です。

まずはブログやHP等でその経歴や知識、人となりなどに触れ、気になったらセミナーなどに足を運び、雰囲気が自分に合うかを見極めましょう。コロナウィルス感染拡大の影響で、セミナーは軒並み中止となっていますが、代わりにオンラインセミナーを開催しているIFA法人も少なくありません。また、初回の相談までは無料というIFAも多いので、個別に話を聞いてみるのもいいでしょう。

 

まとめ

IFAについて見てきましたが、いかがでしたか?

コストをかけてもIFAを使いたいと思う人たちがいる理由が見えてきたでしょうか。

銀行・証券の窓口に加え、ネット証券やロボアドバイザーなど様々な運用スタイルがある今、IFAという選択肢が加わることで、自分に合った投資スタイルを見つける一助になれば幸いです。