分散投資の方法をシリーズでお伝えしています。
過去のシリーズはこちら↓
分散投資の方法①相関関係を知ろう
分散投資の方法②資産配分(アセットアロケーション)
分散投資の方法③積立投資で時間分散
分散投資の方法④積立投資のデメリットは?
分散投資の方法⑤リバランスしてみよう
分散投資の方法⑥リスクとリターンの関係
分散投資の方法⑦投資効率を考える~シャープレシオとは~
前回、各資産のリスク・リターンからシャープレシオを見てきましたが、今回は、各資産を組み合わせて、最も効率が良く自分に合ったポートフォリオを見つける方法を考えていきたいと思います。
二つの資産を組み合わせたら
動きの異なる二つの資産を1:1で組み合わせた時、リスク・リターンはどう変化するでしょうか?
リスクとリターンはそれぞれの資産の単純平均となるわけではなく、組み合わせや割合によっては、リターンを維持しつつリスクを抑えることができます。
先進国株と日本株を組み合わせる場合で考えてみましょう。
- 日本株のみのリスク・リターン
- 先進国株のみのリスク・リターン
- 日本株と先進国株のリスク・リターンの単純平均
- それぞれを50%ずつ組み合わせたポートフォリオの実際のリスク・リターン
を一覧にしたのが以下の図です。
【図1】先進国株・日本株の過去20年のリスク・リターン(myINDEX資産配分ツールに基づき当社にて作成)
二つの資産を組み合わせたポートフォリオを単純平均と比べると、リスクは下がっているのに、リターンは上がっており、投資効率を示すシャープレシオの数値も高くなっています。個別資産での運用よりリスクを抑え、高いリターンを期待できることが分かりました。これが分散投資の効果です。
効率的フロンティア
また、1:1ではなく、組み合わせる割合を変えることでも、リスク・リターンは変化します。
組み合わせる割合を90:10、80:20…と10%ずつ変更し、その結果をプロットしたものが以下の図です。
【図2】先進国株・日本株の効率的フロンティア(過去20年)(myINDEX資産配分ツールに基づき当社にて作成)
上の図の水色の曲線が効率的フロンティアと呼ばれる曲線です。
上の曲線は、二つの資産のみの組み合わせですが、同様にたくさんの資産を、ありとあらゆる割合で組み合わせて、そのリスク・リターンをプロットした時、同じリスクで最も高いリターンを得られる点(ポートフォリオ)を結んだ線を効率的フロンティアと呼び、その曲線上にあるポートフォリオ群を「効率的ポートフォリオ」と呼びます。
つまり、この曲線上にあるポートフォリオの中から自分の許容リスクにあったポートフォリオを選択することが「最も効率の良い投資」ということになります。
【参考】効率的フロンティアの活用例:ロボアド
これらは、現代ポートフォリオ理論の考え方であり、ロボットアドバイザーのWealthNaviでもこの考え方に基づき、ポートフォリオを提供しています。
【図4】WealthNaviの提供ポートフォリオ(出所:WealthNaviホームページより)
まとめ
いかがでしたか?ただやみくもに分散するのではなく、まずは自分の許容リスクを知り、その中で最も効率の良い投資をしていきたいですね。
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分散投資の方法シリーズは、今回で最終回となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
様々な角度から、分散投資のメリットや分散の方法などをお伝えしてきました。自分に合った運用スタイルやポートフォリオを見つけるヒントになれば幸いです。