分散投資の方法をシリーズでお伝えしています。

過去のシリーズはこちら↓
分散投資の方法①相関関係を知ろう
分散投資の方法②資産配分(アセットアロケーション)
分散投資の方法③積立投資で時間分散
分散投資の方法④積立投資のデメリットは?
分散投資の方法⑤リバランスしてみよう

ここまでのシリーズで「リスク」「リターン」という表現を使ってきましたが、ここでその意味や、リスクとリターンの関係性をもう一度考えてみましょう。

 

そもそもリスクとは?

「リスク」と聞くと、「危険なもの、何か危ないもの」と直感的に思ってしまう方が多いかと思いますが、投資における「リスク」とは、「危険」ではなく「振れ幅」のことです。「リスクが小さい」と言えば、「振れ幅が小さい」、つまり価格変動が小さいということです。反対に「リスクが大きい」と言うと、「振れ幅が大きい」、つまり価格変動が大きいということになります。一般に「リスク」と聞いた時にイメージするのは「リスクが高い状態」ということになります。

【図1】リスクのイメージ(出所:日本証券業協会『投資の時間』

 

標準偏差を用いてリスクを数値化する

リスクは統計学で使われる「標準偏差」によって数値化することができます。標準偏差の考え方について簡単に見てみましょう。統計学上、標準偏差(=リスク)が15という時、「±15%のブレが68%の確率で発生する」ということを意味します。図にすると以下のようになります。

【図3】標準偏差の正規分布図(to-kei.netの図を元に当社にて作成)

 

つまり、平均リターン(過去の年率リターンの平均)が5%で標準偏差(リスク)15という金融商品の場合、

リターンが-10%~+20%の範囲に入る確率は、68%
リターンが-25%~+35%の範囲に入る確率は、95%
リターンが-40%~+50%の範囲に入る確率は、99.7%

ということが言えます。

ただし、これらの平均リターンやリスク値は過去のデータに基づいて作成されているものですので、過去に起こってないような状況が発生した場合に、上記予想通りにならないこともあり得ますので、その点は注意が必要です。(実際、リーマンショックの時はほとんどの資産ポートフォリオが-3σの値を下回るところまで下落しました。)

 

リスクとリターンの関係

原則的に、リスクとリターンは比例する関係にあり、期待リターンが高い資産ほどリスクが高くなり、期待リターンが低い資産ほどリスクが低くなる傾向があります。ですから世の中にローリスクハイリターンということはありえず、「元本保証で年利8%!」などという商品は間違いなく詐欺ということになるわけです。

ここで、実際の各資産のリスクとリターンを見てみましょう。

【図2】各資産の過去20年のリスク・リターン(myINDEXより抜粋)

上の図を見ると、日本債券のように上下の振れ幅(=リスク)が小さく、安定的な資産はリターンも小さく、株式のように振れ幅(=リスク)が大きい資産はリターンも大きくなる傾向があります。残念ながらコモディティ(金や原油などの現物資産)はマイナスリターンとなってしまっていますが、コモディティはより変動の大きい資産クラスですので、計測の時期によっては高いリターンをつけることもあり、ハイリスク・ハイリターンの代表例のような資産とも言えます。

この図からも、高いリターンを取るためには相応のリスクを取る必要があるということが分かります。

しかし、このように様々なリスクを持つ複数の資産を組み合わせることで、リスクを抑えつつ、できるだけ高いリターンを狙っていく方法があります。それが分散投資です。

 

次回は、分散投資による投資効率について考えていきたいと思います。

 

まとめ

  • リスク=危険ではなく、リスク=振れ幅
  • 標準偏差を使ってリスクを数値化することができる
  • ローリスク・ハイリターンの金融商品はあり得ない(ハイリスク・ローリターンはあるかもしれません)