前回、前々回と、J-REITファンドの高分配の理由を探ってきました。
今回は、J-REITファンド以外にもあるJ-REITへの投資法をご紹介していきたいと思います。
J-REITへの投資法は3つ!
J-REITに投資する方法は次の3つです。
① J-REIT個別銘柄に直接投資
② J-REITファンドを購入
③ J-REIT指数に連動するETFを購入
それぞれの投資法について、具体的に特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
① J-REIT個別銘柄に直接投資
J-REITの種類と特徴
東証に上場しているJ-REITの銘柄数は、2020年7月現在63銘柄で、株式同様に市場で売買することができます。一口単位で購入でき、最低投資金額は、現在のところ数万円から高いもので70万円近くとなっています。J-REITの種類とその特徴を以下にまとめてみました。
特徴
たくさんある銘柄の中から、自分が良いと思うものを選んで投資できるのが特徴です。また、決算は年2回で、決算ごとに分配金が受け取れます。3・9月に配当月が集中しがちな株式に比べ、J-REITの決算月は分散されていますので、決算月の異なる銘柄を複数組み合わせれば、毎月(一定額とはなりませんが)分配金を受け取るような買い方も可能ではあります。
メリットとデメリット
メリット
- コストは売買手数料のみ(投資信託のように信託報酬等のコストがかからない)
- 価格を見ながら発注できる。指値なども可能。
- 投資法人から詳しいIR資料が送られてくる。
デメリット
- 分散が効かないのでリスクが集中してしまう(減配リスク、上場廃止リスクなどもある)
- リスク分散するにはまとまった資金が必要
- 取扱は証券会社のみで、銀行や郵便局では購入できない。
このような方におススメ
- 個別の銘柄で購入したい銘柄が決まっている方
- 人に任せず、自分で銘柄選択して運用したい方
- 資金が潤沢な方
- 余計なコストをかけたくない方
②J-REITファンドを購入
特徴
近年、多くの方が採用されている投資方法です。インデックスファンドとアクティブファンドがあり、インデックスファンドは東証REIT指数への連動を目指し、東証REIT指数構成銘柄を同じ比率で組み入れています。アクティブファンドは、インデックス運用を上回る成果を目指して、銘柄を選別して投資を行います。
メリットとデメリット
メリット
- 少額の資金でたくさんの銘柄に分散投資できる
- 毎月一定の分配金を受け取るなど、分配金の受け取り方法の選択肢が多い
- ETF(後述)と比べて、マンスリーレポートなどの情報開示が充実している
デメリット
- 購入手数料や信託報酬等のコストがかかる
- 数あるファンドの中から、銘柄選択が必要
- 運用によってはコスト負けすることも…
このような方におススメ
- 多少コストがかかっても毎月一定の分配金を受け取りたい方
今回ご紹介している他の方法ですと、毎月一定の分配金を受け取るのは難しいので、毎月定額の収入を得ることを目的とする方は、J-REITファンドを購入する方法を選択することになるかと思いますが(どうしてもJ-REITで毎月の収入を得たい場合です)、毎月の分配金は、前回・前々回もお伝えしてきた通り、必ず出ると約束されているものではありません。そのリスクを理解した上で、これまでの運用状況や分配状況などをよく吟味し、良質なファンドを選択することが大変重要です。
③J-REIT指数に連動するETFを購入
特徴
3つ目が、J-REIT ETFを活用する方法です。ETF(Exchange Traded Fund)は、「上場投資信託」といって、投資信託ではありますが上場しており、市場で株式同様に売買できます。日経平均やTOPIXなど様々な指数に連動するETFがありますが、ここでご紹介するのはJ-REIT関連の指数(東証REIT指数や東証REIT Core指数)に連動するETFです。
J-REIT ETFの種類
J-REIT ETFは、現在14銘柄が東証に上場しており、タイプ別にいくつかの選択肢があります。
東証REIT指数に連動するタイプ
ほとんどのJ-REIT ETFは、このタイプです。時価総額加重型指数のため、これまでは時価総額の大きい日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人の2銘柄の値動きに大きく影響されると言われていました。しかし、コロナ禍で物流系REITの投資口価格が大幅に上昇したため、7月には物流系REITである日本プロロジスリート投資法人が時価総額トップに、同じく物流系のGLP投資法人も時価総額4位にランクインしました。現在は、再び日本ビルファンド投資法人が再びトップに返り咲いています(2020年8月25日時点)が、J-REIT市場の成長により、今後は古参の2銘柄の影響力も以前ほどではなくなるかもしれません。
東証REIT Core指数に連動するタイプ
東証REIT Core指数とは、東京証券取引所に上場する全ての不動産投資信託のうち、浮動株時価総額および売買代金の水準により銘柄を選定する指数です。簡単に言うと、時価総額や売買代金の多い上位の銘柄が選定されているということです。東証REIT指数との最大の違いは、均等加重型である点です。2020年6月5日現在、東証REIT Core指数の構成銘柄は29銘柄となっており、この29銘柄を均等に指数に反映しています。つまり、東証REIT Core指数に連動するETFの投資配分も、29銘柄に均等に行われることになり、時価総額上位銘柄の影響が薄まることになります。
ETFの分配金
定期分配を受け取るためにJ-REITファンドを購入している投資家の方も多いかと思いますが、J-REIT ETFも分配金が出ます。
そもそもETFは、「税法により、決算期間中に発生した利子や配当などの収益から信託報酬などの費用を控除した全額を分配する」(NEXT FUNDS「ETFゼミ」より抜粋)というルールがあるため、期中に得た分配金はすべてETFの分配金として支払われます。つまり、J-REIT ETFの分配金については、値上がり益や分配準備積立金等を考慮する必要はなく、その利回りは、保有銘柄の分配金利回りとほぼ連動するということです。純粋にJ-REITに幅広く分散投資を行い、その分配金をインカムゲインとして受け取りたい投資家にとっては、コストも安く分かりやすい仕組みとなっています。
決算は、年2回または年4回の銘柄が多く、分配金をより細かく受け取りたい投資家向けに「隔月分配型」も出ていますが、こちらはややコストが高くなっています。
メリットとデメリット
メリット
- 少額での分散投資が可能
- コストが安い
⇒ 投資信託ですので、信託報酬がかかりますが、通常のJ-REITファンドの信託報酬がインデックスの場合で平均0.51%程度、アクティブファンドの場合は1.1%程度となっているのに対し、J-REIT ETFは0.1%台後半~0.3%程度の範囲に収まっています。 - 分配金が受け取れ、たこ足配当などの心配がない
デメリット
- 取扱は証券会社のみで、銀行や郵便局では購入できない
- 毎月分配金を受け取ることはできない
- 金額指定で買えない
このような方におススメ
- REITに分散投資しつつ、コストを抑えたい方
- J-REITファンドのたこ足配当が気になる方
- リアルタイムで株式のように売買したい方、また売買が苦にならない方
まとめ
J-REITに投資する方法を3つご紹介してきましたが、いかがでしたか?小口資金で不動産に投資でき、税制面で優遇された分配金が受け取れるJ-REIT。魅力的な投資先ではありますが、近年、株式以上の激しい値動きを見せることもあります。リスクをよく理解し、自分に合った投資方法を見つけていただければ幸いです。
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