前回、iDeCoとつみたてNISAの違いを簡単にお話ししました。

それぞれの項目について見ていきたいと思います。

 

税制メリットについて

 

税制メリットはiDeCoの方が大きい

つみたてNISAとiDeCoを比較した時、税制メリットが大きいのは断然iDeCoです。つみたてNISAは、運用益非課税(投資で増えた分に対し課税されない)というメリットがありますが、iDeCoにはこれに加え、加入時・受取時も含めた「3つの税制メリット」があります。加入時には、掛金が全額所得控除になり、受取時にも公的年金等控除(年金で受け取る場合)または退職所得控除(一時金で受け取る場合)のいずれかの控除を受けられます(iDeCoのメリットについては、老後のお金を考える【対策編~50代(後編)】で解説していますので、ご覧ください。)。

税制メリットに関してはiDeCoの方が有利と言えるでしょう。

 

加入資格

 

誰でも入れるNISAと一部例外ありのiDeCo

加入資格については、つみたてNISAが「日本在住で20歳以上」に該当すれば加入できるのに対し、iDeCoは「20歳以上60歳未満の方」が基本となっていますが、iDeCoは条件によっては加入できない方がいます。それは「勤め先に『企業型確定拠出年金(DC)』がある方」です。一部例外もありますが、このような方は原則「iDeCo加入不可」となります。現在、企業型DCに加入する会社員は約700万人にもなり、少ない人数とは言い難いでしょう。そういったことから、企業型DC加入者も含め、全会社員がiDeCoに加入できるようにしようという動きも出ていますので(2020年の通常国会に関連法の改正案の提出を目指して動いているようです)、誰でも入れるようになる日も近いかもしれません。

すでに、2017年からは専業主婦も加入できるようになっており、加入対象者は着実に拡大しています。ただし、税金を納めていない専業主婦の場合、所得控除のメリットはありませんので注意が必要です。

なお、20歳未満であっても厚生年金保険に加入する15歳以上の会社員等も加入可能となっています。

 

投資可能額

 

つみたてNISAは一律、iDeCoは個人差あり

投資可能額については、つみたてNISAは40万円/年と一律ですが、iDeCoについては、個々人でかなり開きがあります。一番投資可能額が大きいのが自営業の方で、月額6.8万円(年額81.6万円)、もっとも少ないケースですと、月額1.2万円(年額14.4万円)となっています。

会社員の方は多くても、月額2.3万円(年額27.6万円)とつみたてNISAより少ないので、より多く積み立てたい場合はつみたてNISAとの併用も検討すると良いでしょう。

⇒iDeCo公式サイト【リンク貼付:https://www.ideco-koushiki.jp/】にて、加入の可否や投資可能額の簡単診断ができます。

 

投資対象

 

つみたてNISA

 つみたてNISAの投資対象となる商品は、「長期の積み立て・分散投資に適した一定の投資信託」として金融庁が基準を定めて選定しています。金融庁の基準の主なものは以下の通りです。

  • 信託報酬が低く(信託報酬率は5%以下)、販売手数料はゼロ(ノーロード)の低コスト商品
  • 信託期間(投資信託を運用する期間)が長期であることなど、長期投資に適した商品
  • 毎月分配型ではない商品

6000本ほどもある投資信託の中から、金融庁が定めた基準を満たした投資信託は、2019年10月1日現在173本となっています。

このような基準を設ける背景には、これまで日本国内において、高コストの投信が次々に発売され、販売業者の勧めで短期の回転売買を繰り返してきた結果、投資による資産形成ができてこなかった反省があります。また、近年大流行した「毎月分配型投信」についても、長期投資で絶大な効果を発揮する「複利での運用」ができないことから、除外されています。こういった条件を設け、長期の資産形成に資する商品だけを投資対象とした上で、運用益まで非課税にしているのです。このようにつみたてNISAは、国民に本気で投資による資産形成を成功させてほしいという金融庁の想いが感じられる制度なのです。

少し話がそれましたが、はじめから長期・分散・つみたて投資に適した投資信託だけが投資対象となっていますので、初心者でも比較的安心して取引が始められるのもつみたてNISAの大きなメリットと言えるでしょう。

なお、全ての金融機関で173本の商品が購入できるわけではないので、口座開設前に商品ラインナップを確認しましょう。

 

iDeCo

iDeCoの投資対象は、定期預金や保険商品などの元本確保型商品と、投資信託になります。つみたてNISA同様、扱う商品は運用管理機関によって違いますが、商品数は1運用管理機関につき35商品までと決まっています。中には数種類の商品ラインナップに留まる運用管理機関もあります。

iDeCoの運用管理機関はいわばセレクトショップのようなもので、扱う商品も運用管理機関によってかなり違いがありますし、品ぞろえについても、上限いっぱいに商品を用意しているところもあれば、あえて少ない商品数でお客様が決断しやすいようにしているところもあります。

どこで運用するかは、各社の手数料と商品ラインナップを比較して決めると良いでしょう。

⇒iDeCoナビ(個人型確定拠出年金ナビ)の取扱金融機関比較で検索することができます。

 

次回は、投資可能期間と流動性の違いについて見ていきます。