iDeCoとNISAの比較をお届けしています。

これまでのお話はこちら↓
iDeCoとつみたてNISAを比較!メリットとデメリットは?(1)
iDeCoとつみたてNISAを比較!メリットとデメリットは?(2)

今回は、投資可能期間と流動性の違いについて見ていきます。

 

投資可能期間

つみたてNISAが便利に!

つみたてNISAの投資可能期間は20年なのですが、現在は投資期限が2037年までと決まっており、(制度の始まった)2018年に積み立てを開始していれば20年投資できたのですが、例えば、2019年から投資を開始した場合は19年、2020年に投資を開始した場合は18年しか投資することができませんでした。つまり、これまでは「なるべく早く始めないと投資期間が短くなってしまう(=投資総額も少なくなる)状態だったのです。

しかし、つい先日「政府・与党は、「つみたてNISA」の投資期限を今の2037年から延長し、20年間の積立期間を確保する方向で調整に入った。」と報じられました。延長が決定すれば、これから投資を始めても20年間投資することができます。「出遅れた!」と思っていた方には朗報です。

若い人はiDeCoで超長期投資が可能

一方iDeCoの投資可能期間は、年数ではなく、年齢で「60歳まで」と決まっています。つまり、年齢が若ければ若いほど長い運用期間が取れるということです。つみたて投資は長期で行った方が、勝てる可能性が高くなりますので、20代であれば30年超の運用期間を確保でき、リスクの高いポートフォリオで高いリターンも狙いやすくなります。

iDeCoも加入延長へ

iDeCoでも、つみたてNISA同様、すでに60歳以降も加入できるようになっている確定給付年金に合わせて、60歳以降も加入できるよう(具体的には65歳までの延長を検討)関連法の改正を目指す動きがあります。そうなれば、これまで「iDeCoだと運用期間があまり取れないな」と思っていた世代でも、投資を始めやすくなるでしょう。人生100年時代に合わせて、制度も便利に変わっていっているのです。50代からでもなるべく長くiDeCoで運用して老後資金を準備する方法については、「老後のお金を考える【対策編~50代(後編)】」に詳述していますので、ぜひご覧ください。

 

流動性

流動性には大きな差

最後に最も重要な項目の一つである「流動性(=換金のしやすさ)」について説明していきます。

流動性という面では圧倒的につみたてNISAが優れています。つみたてNISAはいつでも中途解約が可能ですので、20年以内に使う可能性がある資金であれば、迷わずつみたてNISAを選択すべきです。繰り返しになりますが、iDeCoは老後資金の準備を目的とした制度ですので、60歳になるまでは原則解約することはできません。ですから、若い世代はiDeCoで長い運用期間を取れると言っても、その前に、結婚・出産・子供の教育・住宅購入等々多くのイベントが控えていますから、若い世代がiDeCoにたくさんの資金を振り向けることは現実的に難しいかもしれません。それでも、少額ずつでもコツコツ積み上げていくことが人生100年時代の長い老後を生き抜くには大切なのではないでしょうか。iDeCoの掛金は5000円からなので、まずは月5000円、余裕が出てきたら増やしていくというのも良いでしょう。換金性の低さを逆手にとって、他のことに使ってしまわないよう分けて積み立てるという使い方ができるのもiDeCoのメリットです。

 

まとめ

ここまで、iDeCoとつみたてNISAを比較してきましたが、いかがでしたか?

制度としては、iDeCoよりつみたてNISAの方がシンプルな設計と感じた方も多いのではないでしょうか?誰でも始められて期間も一律20年、掛金も一律、と分かりやすい制度です。しかしながら目的は人それぞれですので、どのような資金を運用していくかの使い方は、投資家本人に委ねられています。どのような資金を運用する場合でも、短期的には元本割れのリスクが高くなるため、

  • 数年以内に使う予定のある資金での投資
  • 預貯金などがない状態での投資

は避けましょう。

一方、iDeCoは、税制メリットが大きく、運用期間も長く取れるものの、60歳まで引き出し不可、と流動性が著しく低いため、まだ老後など先の話と思える世代ですと、必要性を感じづらく、加入を躊躇してしまうかもしれません。実は筆者自身も、iDeCoは流動性が低すぎるので、リスクが高く、誰にでも勧められるわけではない、と当初敬遠していました(もちろん誰にでも勧められるわけではないのですが…)。しかし、「老後のお金を考えるシリーズ」でも触れましたが、資産設計をするとき、目先の教育資金や住宅資金ではなく、老後の資金から組み立てていくのが大切、という考え方に基づけば、少額ずつでもこの有利な制度を活用して老後資金準備を始めるべきだろうと現在では考えています。

iDeCoやつみたてNISAをうまく活用して、それぞれに合った目的の資金を運用してみてはいかがでしょうか?

 

本コラムがiDeCoやつみたてNISAへの理解を深める一助となれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。