当コラムでは株式の売買における、いわゆる「あるある」的な事象を紹介していきます。

これらは筆者が証券会社での営業を10数年経験し、1000人以上のお客様と取引をしていただいたなかで得た経験と、自らが株式売買において失敗を繰り返してきた経験に基づくものであり、当コラムをご覧いただいている方々の今後の投資における一助となれば幸いです。

<過去のコラムはこちら>
株式投資コラム①『損小利大』・『損大利小』あなたはどっち!?(前編)
株式投資コラム②『損小利大』・『損大利小』あなたはどっち!?(後編)
株式投資コラム③ファンダ派?テクニカル派?あなたはどっち?(前編)
株式投資コラム④ファンダ派?テクニカル派?あなたはどっち?(後編)

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株式投資の専門書や入門書を読んだことがある人は『順張り』と『逆張り』という言葉を目にしたことがあると思います。
今回は順張りトレードに関してのメリットとデメリットについてお伝えします。

順張りトレードとは

順張りとは、『株価が向かっている方向(トレンド)に合わせてポジションを取る』という投資スタイルです。上昇トレンドであれば『買い』で、下落トレンドであれば『空売り』で対応していきます。

順張りは株式投資を始めた初心者に向いていると言われ、逆張りはベテラントレーダーに向いていると言われることも多いですが、筆者自身はそのように感じたことはなく、『順張りか逆張り、それぞれの特徴を把握して、どちらが自分の性格に合っているか』をまずは認識していただければ良いかと思います。
順張りが初心者に向いていると言われる要因の一つとして、「大きな流れの方向に乗る」ということが視覚的に認識しやすいからです。
図は2018年の値上がり率ランキング1位の「3906 ALBERT」です。

5月までは1000円~2000円台だった株価が5月中旬に大きく上昇し、その後は年末にかけて上昇と下落を繰り返しながらも11月末には16000円を越えました。
7月前後に9000円台から6000円割れまで下落する局面や、10月頃に14000円台から10000円割れまで下落する局面、どこで買っていても16000円まで我慢して保有していれば含み益になる局面があったことになります。

順張りトレードのエントリーポイント

順張りにおけるエントリーポイントは大きく2つあると言われています。

・ブレイクアウト
・押し目買い(戻り売り)

先ほどのアルベルトのチャートで検証してみます。

5月中旬に大きく上昇した株価が7000円をつけた後、下落に転じて5000円を割り込みました。この時の高値が①となり「上値抵抗線」と呼ばれます。
その後、数週間で株価は再度上昇していき、6月下旬に①の「上値抵抗線」を超えて9000円まで株価を伸ばしました。
同様に、9000円(上値抵抗線)から6000円割れまで下落した株価は②に向けて再度上昇していき、8月下旬に9000円を超えていきました。
前回の高値(上値抵抗線)を株価が突破していく、この事象が『ブレイクアウト』と呼ばれています。(単にブレイクと呼ばれることも)
ネットで『年初来高値更新 一覧』などと検索すると直近で上値抵抗線をブレイクした銘柄を見つけることができます。
気になる銘柄をピックアップして、チャートで確認し、投資対象候補などに登録しておくのも良いと思います。

もう1つのエントリーポイントが『押し目買い』です。
チャートの③をご覧ください。
8月末に9000円をブレイクした株価は10月に14000円まで上昇します。
その後、利益確定売りなどもあり、10月末には9000円近くまで下落しました。(③のポイント)
ここで買いを入れることを『押し目買い』と言います。

押し目買いのポイントとしては以下の点が挙げられます。
・ブレイクした株価が急ピッチで上昇したため、買えなかった
・急ピッチで上昇した株価はずっと上昇し続ける可能性は低いため株価の調整局面を待つ
・前回「上値抵抗線」だった株価ラインが、「下値支持線」となり調整局面での反発目安となる(今回の場合では③の9000円付近)

株価がブレイクアウトした後に追っかけ買いをして「高値掴み」をしてしまうケースも多々見てきました。
「高値掴み」でよく失敗してしまう方は、『押し目買い』も選択肢の一つとして頭の片隅に置いておくのも良いかもしれません。

 

順張りのメリット

・ブレイクアウトの目安がわかりやすい
・利益が伸ばしやすい
・上昇局面で買うので心理的に行動しやすい(人もいる)
・中長期投資に向いていると言われている

順張りのデメリット

・高値掴みをしてしまう
・ダマシがある(ブレイク直後に株価が反転する)
・年初来高値ブレイクではその年の一番高い株価を買いにいくので心理的に行動しにくい(人もいる)
・デイトレなどの短期投資には向いていないと言われている

チャートの右端

今回は順張りトレードについてお伝えしました。
最後に1つ心に留めておいていただきたいのは『自分は常にチャートの右端にいる』ということです
アルベルトのチャートを約1年分見てみましたが、試しに7月から右側を隠してみてください。
もし、その後の値動きがわかっていなければ、そのタイミングでどのような投資判断をくだすかを考えてみてください。

エントリーポイントはどこか、ロスカットポイントはどこか、上値抵抗線はどこか、下値支持線はどこか、などをその時々で考えるようにすれば実際に自分の投資タイミングが来た際にしっかりと行動できるようになるでしょう。

投資判断を下す際、私たちは常にチャートの右端にいます。

次回は逆張りについてお伝えします。