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当コラムでは株式の売買における、いわゆる「あるある」的な事象を紹介していきます。

これらは筆者が証券会社での営業を10数年経験し、1000人以上のお客様と取引をしていただいたなかで得た経験と、自らが株式売買において失敗を繰り返してきた経験に基づくものであり、当コラムをご覧いただいている方々の今後の投資における一助となれば幸いです。

<過去のコラムはこちら>
株式投資コラム①『損小利大』・『損大利小』あなたはどっち!?(前編)
株式投資コラム②『損小利大』・『損大利小』あなたはどっち!?(後編)
株式投資コラム③ファンダ派?テクニカル派?あなたはどっち?(前編)
株式投資コラム④ファンダ派?テクニカル派?あなたはどっち?(後編)
株式投資コラム⑤順張りトレードのメリットとデメリット
株式投資コラム⑥逆張りトレードのメリットとデメリット
株式投信コラム⑦テンバガー株の見つけ方
株式投資コラム⑧株式売却のタイミングは難しい!?

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株式投資コラム第9回目は「仕手株」についてです。

株式投資を勉強していたり、実際に投資する銘柄を探していると「仕手株」という言葉が目に付くことがあります。

・「仕手株には手を出すな!」
・「仕手株にうまく乗って利益をあげよう!」
・「仕手株の魅力とリスク」
・「仕手株の見つけ方」

など、投資家の方々なら一度は見たことがあるフレーズかもしれません。

そもそも仕手株とはどのような銘柄なのか、仕手株には投資しないほうが良いのか、などを筆者の経験からお伝えします。

そもそも仕手株とは

「仕手株」とは、数十億~数百億の資金をもった特定の投資家グループ(仕手筋とも言う)が『意図的に』特定の銘柄の価格を上げ下げし、ファンダメンタルや好材料等には関係なく急騰したり急落したりする銘柄のことを言います。(意図的に株価を変動させる行為は株価操縦にあたり、証券取引法で禁止されている違法行為です)

『急騰する』という点では、好決算が発表されたり、増配や株式分割が発表されたり、M&AやTOBの発表があると株価は上昇することが多いですが、仕手株の急騰はこのような『材料』がなく起こります。

良いニュースや悪いニュースが特にない状況で株価が大きく上昇していくため、主に短期で利益を狙う投資家が「上がっているから買う、買うから上がる」を繰り返し、出来高を伴って急騰を演じていきます。

しかし、その急騰もいつかはどこかでストップします。

ストップした後に待っているのが『急落』です。

一般的に「仕手株」はハイリスク・ハイリターンと言われており、うまく『急騰』に乗ることができれば大きな利益が狙える反面、『急落』に遭遇してしまったら大きな損失になってしまいます。

仕手株になりやすい銘柄の特徴

 仕手株になりやすい銘柄の特徴としては以下のような点が挙げられます。

・小型株(時価総額が200億円以下)
・浮動株比率が少ない(30%以下)
・低位株(500円以下)
・制度信用取引で空売りが可能(貸借銘柄)
・業績や事業内容が目立たない

『仕手筋(グループ)』が巨額の資金をもっているとはいえ、時価総額が大きい銘柄や普段から出来高が多い銘柄を『急騰させる』のは難しいので、時価総額が小さく、普段から出来高が少ない3桁(100円~999円)台の銘柄をコツコツと集めていきます。

また、信用取引を活用して出来高を膨らませるために『空売り可能な銘柄(貸借銘柄)』がターゲットになることもありますが、制度信用取引の融資銘柄(信用買いのみ可能)もターゲットとなることがあるため一概には言えません。

仕手株の値動き

「仕手株」の値動きには特徴があると言われています。

チャートを見ながら説明していきます。

図は2017年9月~2018年9月のニチダイ(6467)です。

1の期間では株価に大きな変動はなく、出来高も少ない状況が続きます。このタイミングで少しずつ買い集めていきます(玉集め)。

2の期間では信用取引などを使い出来高を膨らませます。このあたりで値上がりランキングにも顔を出すようになり、個人投資家の意識が向き始めます。

3の期間では売買が交錯し、長めの下ヒゲをつけるなどの「振るい落とし」が行われ、短期売買を狙った投資家の投げ売りや新たな投資家の参入など様々な思惑が働きます。

4の期間ではこれまでの高値を更新し、「まだまだ通過点!」「最終目標は7000円!」などとSNS等も活用して投資家の注目を集めます。さらなる上値があるように見せかけて、仕手筋は淡々と売り抜けていきます。

5の期間では株価下落による追証も発生し急落局面となります。このタイミングでロスカットできなければ長期塩漬け株となる可能性大です。

6の期間では出来高も少なくなり、株価の低迷とともに投資家の関心は薄れていきます。

仕手株には手を出さないほうが良い?

筆者の経験からすると投資初心者の方は仕手株には手をださないほうが良いと思います。

仕手株売買は「投機的取引」であり、「投資」とは一線を画するものだと考えています。

多くの投資家は「投機的取引」で一時的にプラスを積み上げることができても、継続してプラスを積み上げることはできません。いずれ、大きな損失に悩まされる可能性が高いです。

一部の投資家はスキャルピングなどの投機的取引でプラスを積み上げているとは思いますが、おそらく少数派です。

これまでのコラムでお伝えしてきたように、ファンダメンタル分析やテクニカル分析を活用したり、企業分析を行い成長性を見極めて投資をすることで資産増加につなげるのが「株式投資」だと筆者は考えています。

『投機でも投資でも仕手株でも、なんでもいいから資産が増えればいい!』
という意見の方もいらっしゃると思います。

何事もチャレンジしてみるのは良いことだと思いますので、リスクも受け入れたうえで仕手株にチャレンジしてみたい方、まずは「最低単元」でチャレンジしてみることをおすすめします。

仕手株とは? まとめ

  • 特に大きなニュース等がない銘柄で急に動き出した(出来高が増えた)銘柄は仕手株の可能性がある
  • 仕手株の特徴としては、小型株で浮動株比率が低く業績も大きな変化がない銘柄
  • 仕手株には手を出さないほうが良い。買うなら最低単元で
  • マイルールを設定して、売却タイミングを決めておく

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